浮気された妻のオーラはどんな異性を引き寄せるのか。②
前回、浮気された妻のオーラはどんな異性を引き寄せるのか。①からの続きです。
痛恨の初動ミス
ウゲェーーーッ!!
不意打ちで山本さんに唇を奪われてしまった!!
そして山本さんはさらにそれ以上を求めてきた。
待て、待て、待て!
落ち着け、落ち着くんだ、山本さん!!
私と山本さんはレスリングの組手争いのように上半身だけでドタバタやりあった。
その時だった。お義母さんがお風呂から上がってくる音がした。
〝助かった!〟
神の恵みか、お義母さんがシャワーを浴びてスッキリとした顔で部屋に入ってきた。
「お先にごめんね〜。しらすさん、次入って。」とお義母さん。
「ありがとうございますッ!!」
ガタッと椅子を鳴らして立ち上がり、私は一目散でお風呂場へと逃げ込んだ。
シャワーをしながら考えた。
なんという男だ、山本!!!
手を出すところに分別というものがないのか?!理解に苦しむ!!
…だが。
これは非常にマズいことになった。何がマズいって私がすぐにお義母さんに言いつけなかったところがマズい。気が動転してとっさに言葉が出てこなかったのだ。痛恨の初動ミス、、、。
もうあとは、山本さんが酔ってこの一連の記憶がない、という奇跡の逆転劇に賭けるしかない…!
奇跡はそう起きるものではないのだよ、ワトソンくん
次の日の朝、2階の寝室から1階のダイニングルームに降りるとお義母さんと山本さんがすでに朝食をとっていた。
「おはよう、しらすさん、よく眠れた?」とお義母さん。
「はい!
…あーいや、実はあんまり、、、」
「自分の家でないとなかなかぐっすりとはねぇ。コーヒーでいい?山本さんのとなりに座って。」
「あ、はい、、、。」
椅子を引きながらチラリと山本さんを見ると、山本さんの私を見つめる視線が熱い!
…だめだ、こりゃ。(ガックシ。)
ストーカー男との攻防
それからだった。毎日山本さんからのラブラブメールが何通も届くようになったのは。語尾にハートマークいっぱいの、読むも恥ずかしいラブメールだった。
恋愛対象ではない人が勝手に盛り上がっている感情を受け止めることほど迷惑で重いものはない。メンヘラ夫に子供のいじめ問題と、この当時、私の精神は非常に忙しかった。このクソ忙しい時にもう一人メンヘラ男を抱えることになるとは…!!
とりあえず!
その気がないことをハッキリ伝えよう、そうしよう。
「先日は事を荒立てまいとして何も言いませんでしたが、困っています。私にはその気がありません。メールはやめてください。」
山本さんにそうメールした。
山本さんからも「ごめん、迷惑かけて。もうメールしません。」との返信があった。確かにそう返信があったのだ。
ところが。そんな返信の後、しばらくは静かになるのだが数日経つとまた同じようにラブラブメールが送られてくる。これにはかなりガックリした。
で、またお断りのメールをして、向こうが「もうメールしません。」と泣き顔の絵文字付きで送ってくる。しかし数日経つとまたラブラブメール開始、と、この繰り返し…。
そこでメールは一切無視、断りメールも送るのをやめた。いい加減、諦めてくれるのを願って。
そんなある日の昼間、山本さんからの1本のメールが私を震え上がらせた。
「今日は奈良営業所に1日出張だよー。しらすの家に寄るからねー。」
ヒーーーッ!!!
夫は仕事、子供達は学校。昼間は家に私一人だけ。慌てて家中の鍵を締めに回ったが、私の頭の中はもうこんな感じ。
これはアカン!
こんなこと知れたらお義母さんはショックだし、嫁・姑間の雰囲気はどうなる?とかそんなこと…
言うてる場合か!!!
私はすぐさまお義母さんにメールした。
「山本さんが今からうちに来るって言ってます!これまでも変なメールしてきて困っています!やめるように言ってください!!」
お義母さんからの返信はなかった。
つまりお義母さんの反応は「絶句」。
…ですよねぇ、、、。
その夜はお義母さんと山本さんは前々から家で夫の弟、タカシくん一家と夕飯を一緒に食べる約束だったらしく、その夜の様子はタカシくんの嫁、ユミちゃんが電話で教えてくれた。
ユミちゃんによるとあの夜、タカシくん一家の前で山本さんとお義母さんの間で壮絶な口喧嘩が繰り広げられ、二人は大荒れに荒れたそうだ。
「山本さん、〝しらすが悪い!〟って言うてたで。」とユミちゃん。
山本さんは私がその場にいないことをいいことに、全ては私のせいだと言ったらしい!
あンの、ハゲーーーッ!!!(怒)
しかし心配はいらない。山本さんと私の言い分のどちらを信じるか、みんなの見解は一致している。
だから山本さんのイタい言い訳を、その場にいた全員がシラケた顔して聞いていたんだそう。
フォッフォッフォッ。
全ては日頃の行いじゃよ、山本くん。
*******
山本さんの理解に苦しむ行動は表面的には「1本ネジのはずれたオジさん」にしか見えないのですが、根底には家族からの承認不足が原因になっています。
山本さんは週に1回は自分の自宅に戻るルーティーンを崩さず、家庭に戻りたいという気持ちをずっと持ち続けています。しかし奥さんと子供達からは総スカンを食らっているという現実が、私にしたような空回りの言動の起因となっています。また、これは幼少期の親との関わりも関係していますので根深いと思います。
そして当時の私のように、承認不足の女性には健全な精神の男性は寄ってきません。その状態には独特のオーラがあり、同じように承認不足(一見はそうは見えない)の男性とシンパシーが合いやすいのです。自分もつけいられるスキがあったはずだしね。(オーラで。)
そのため恋愛で傷ついた人も、まずは自身の承認不足状態を解くことが次の良縁を引き寄せるための鍵となります。
どちら様もメンヘラ男と縁のない快適ライフをお過ごしください。
ではまた〜。
西園寺しらす(著)
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