浮気された妻のオーラはどんな異性を引き寄せるのか。①
浮気を繰り返している男性はまるで、自らの承認を求めてさまよい歩くゾンビのようです。しかし我々妻もまた、それにかまれたがごとく夫と同じように承認を求めるゾンビに変貌させられます。
ゾンビと成り果てた妻はどんな異性を引き寄せるのか…。
今回は、『負のオーラをまとった女性に救出の王子は現れない』というお話です。
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義母からの電話
「二人だけで話し合っててもラチがあかんやろ?子供ら連れてこっち泊まりにおいで。しらすさんの言いたいこと、なんでも聞くで。」
金曜日の夜、そんな電話をかけてくれたのは夫の母、ミツヨさんだった。
わたしたち夫婦は長年ヒリついた冷戦状態だったが、夫の繰り返す浮気を機にその均衡は崩れ、第1次夫婦大戦へと発展。その戦いの凄まじい爆撃音と地響きが夫の実家にも伝わり、夫婦の内情は義母たちにも知れ渡ることとなっていた。
夫はもともとお義母さんに諭されて心を入れ替えるようなタマじゃない。しかしここで第三者が援軍となってくれるのは私にとって歓迎すべきことだ。
そんなわけで、ある土日、我が家全員で夫の実家に泊まりにいくこととあいなった。
この時これが、新たな災難への誘いであったとは知る由もなく…。
内縁の夫
夫の母ミツヨさんは20歳で結婚、25歳で離婚。以来長年、内縁の夫、山本さんという男性と一緒に暮らしている。
が、実はこの山本さん、妻子持ちなのだ。
お義母さんとは職場で知り合い不倫関係に発展。山本さんは妻子ほっぽらかしてお義母さんの家に住み着きかれこれ25年、本妻とも離婚をしないで両家を行き来しているという強者だった。
当初、夫の親族全員(もちろん夫も)、私と私の両親も、山本さんが既婚者だとは知らされていなかった。私が夫と結婚する時も山本さんはうちの両親の前で「自分は独身である」というテイで登場している。
「私とミツヨはもう年齢も年齢ですし、今さら籍を入れるのはやめておこうと話し合っておりまして。」などと、吸いも甘いも嗅ぎ分けた大人風発言で私の両親の前では急場をしのいでいたのだが内情は、〝離婚して自分と一緒になって欲しい〟と懇願するお義母さんに対して、山本さんが離婚することにがんとして首を縦に振らない、というものだったことを後々知ることになった。
義父のようで義父じゃない人
そんなふざけた男・山本さんについて、その事実を知った夫の親族(とりわけ女性陣)は眉をひそめた。だが、当のミツヨさんがその関係のままで良いと言う以上、そこに口出しできるわけもなく、また、陽気なキャラクターであることと、ミツヨさんの精神安定剤という意味で、山本さんの存在は親族たちからそう迷惑がられたものでもなく、かくいう私も山本さんとは仲が良かった。
年齢とともに緩んでいく私の体型に「このデブ!」と山本さんがツッコんでくれば、「なんやねん、このハゲ!」と薄くなってきた山本さんの前頭部をイジるという気心知れた仲。本当のお義父さんではないけれど、それに似た感覚で私はつきあってきたつもりだった。(だが本当のお義父さんにはそんなイジりはできないだろう。笑)
「奥さんを泣かせちゃいけない」というお義母さんが一番〝奥さん〟を泣かせている件
実家にいくと夫の実家では必ず酒盛りが始まる。肝心の夫の浮気については子供達を寝かしつけた夜も更けた頃、酒の酔いも回ってきてからはじまった。
私はこれまでの苦しみをここぞとばかりお義母さんに訴えた。離婚を考えているという私の意思も伝えた。
お義母さんは「私は離婚もしているし(愛人だから)何も言えた立場ではない。だけどかわいい孫二人の泣く姿を見るのは耐えられない。だからあんたら二人には仲良くやっていって欲しい。
ユウイチ(うちの夫)、奥さんを泣かすもんやないで!」と涙ながらに夫ユウイチに訴えた。
…お義母さん、(山本さんの)奥さん泣かしてるで。
とはあえてツッコまなかった。
母の言葉に「わかってるけど…。」と夫は随分しおらしい。モラハラする人というのをよく知っている方はご存知だと思うが、モラハラ人の相手によってとる「態度豹変術」はそれはそれは見事なものである!(怒)
山本さんは山本さんで「まぁ、(男にとって)若い女がええのは確かやしなぁ。笑」とかなんとかかんとか、場を和ませようとでもしているのか?酔っ払ってチャチャを入れてきている。
お前はだまってぃ!!
どのみち話し込んでもラチがあく話ではない。お義母さんと私でよってたかって夫を責めたて「浮気はもうしません!」と無理やり誓わせるのも、なんか違うわけで。
そんなわけで、その夜はなんの解決の糸口も見えなかった。
しかしずっと一人で抱え込んでいた夫への憤り・苦しみを口に出せただけでも、気持ちは楽になった。お義母さんたちの前でわんわん泣いてしまったのは不覚だったが、どれほど私が辛い目に遭っているかを訴えるには、それもアリだったろう。笑
そんなわけで時刻はすでに0時すぎ。順番にお風呂に入ることにして、この酒の席はおひらきとなった。
まず、夫がお風呂に入り2階の部屋で早々に就寝。お義母さんはかなり酔っ払って睡魔に襲われている。それでも完全に睡魔に囚われる前にと「ごめん、先に入らせて!」と慌ててお風呂に入っていった。そうしてお風呂の順番を待つ間、私と山本さんだけが飲み干したお酒の残骸が立ち並んだテーブルに、二人きりになった。
長い前置きだったが話はここからだ…。
混乱の極み
二人きりになると向かい合って座っていた山本さんがわざわざ私の横の椅子に座り直してきた。
「ん?」
この時違和感を感じたが、浮気している立場から、腹を割ってのアドバイスがもらえるのかとも期待した。
そして山本さんは自分のことを語り出した。
「ミツヨとはこんなに長くなるとは思ってもみなかった。つきあい始めた当初、毎日ミツヨの家で寝泊まりし、自分の家には戻らなくなった。妻はずっと泣いていたが盛り上がっていた自分とミツヨには妻の気持ちの入る余地はなかった。
しかしミツヨの家に居つき3ヶ月経った頃、家に帰りたいと心から思った。だがもうその時妻は自分を許してはくれなかった。妻も意地を張り、自分も意地を張った。結局どうやっても修復の道には向かわなかった。」
そうか…。
山本さんは本当は奥さんのいる家庭に戻りたかったんだね。だから今だに離婚しようとしない。
だけど小さかった子供二人を置き去りにして女に走った山本さんを、奥さんは許せなかった。やり直したいと思った時期は何度もあっただろう。だけどうまく感情と言葉を操れなかった、そんな男女の成れの果てってヤツか…。
と、そこまで思考が及んだその時だった。
突然山本さんの手が私の後頭部を後ろに逃げないように支えるために伸びたかと思うと、山本さんの顔面が私の眼前に近づいてきたのだ!
ちょっ、まっ…!
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