2016年11月13日

猫の家出【その3】ミコ、決意の旅立ち

そして猫は出て行った

 

異変は突然現れた


結局ね、うちの猫の家出の原因は死期だったんです。猫は死期を悟ると家を出て行くって言いますもんね。

今年の8月からミコが急にキャットフードを食べなくなったんです。フードをいろいろ変えてみましたが、どのフードも喜んで食べない。元気も当然ない。もうどうしたらいいか焦りましたよ。

で、こうなったら手作りに挑戦だ!と思ってネットで調べて見よう見まねで猫の手作りご飯をつくりました。主食は鶏肉です。手作りご飯は喜んで食べてくれたんです。おかわり、おかわりって催促してきて、もうそれはそれはガツガツと。

やった!元気がないのはフードが原因だったんだ!うーん、ナイス飼い主、私!…ってエツに入ってたんですが、それでもやっぱりミコは日に日に元気がなくなっていくんですよね。

そしてミコは私から距離をとりだしました。「おいで」と言っても私から離れたままじっと動かない。そして何かを訴えかけるような、何とも言えない悲しい目でじっと私を見つめるようになりました。昼間は私から遠く離れて玄関の角で寝るようになり、その体からは「つらい」「悲しい」「ここにいるのは幸せじゃない」というものすごい「気」が立ちこめているのです。もちろん触れられるなんてことは体全体のオーラから全拒否です。

でも相変わらず、私の作る食事はペロリと食べてくれるんです。猫にとって食欲は体調のバロメーターです。しっかりたべてるところを見ると体調の問題ではない、と。では何なのか?野良猫に戻りたくなった?サカリがついた?その時の私はそう考えていました。

いずれにしてもこれは飼い主としてはつらいです、非常につらい!4年間あんなにベタベタイチャイチャグチョグチョしてきた愛猫がですよ、この家にいる事が幸せじゃない、ここにいたくないって訴えてくるんですよ…/p>

もーこれいったいどうすりゃいいの!?

悲しみをたたえた瞳


ミコがこの家を出て行く前日、ミコはご飯を食べ終わっても、またあの何かを訴えるような目で私を見て、食事のお皿から離れなかったんです。量が少ないのか?もう今日作った分はこれで全部だ。また作らないといけないの?いやでもこれ作るのかなり手間かかるんだけど。本当に量が不足なの?

私はイラついていました。毎日の食事作りにも疲れてきてたし、なにより毎日毎日悲しい目で訴えられて、私の心は追いつめられていたんです。

ご飯をもっと食べれば気がすむの!?わかったよ、じゃあ作るよ!作ってやるよ!
私はやけくそになってつくり、出来上がった食事をポンッと乱暴にミコの前に出しました。ミコは…食べませんでした。

私の怒りは爆発しました。

何なんだよ!私だって忙しいんだよ!仕事の納期が迫ってるし、やりたいこともいっぱいある!一日中アンタの機嫌に振り回されてこっちはクタクタなんだよ!!

口に出しては「いい加減にして!!」と叫び、悲しみと怒りで隣の部屋に逃げ込んだ。ドアを閉める前にミコと目が合った。
ミコは食事の入ったお皿の前にちょこんと座り、とても悲しそうに私を見ていた。

しばらくその部屋で気を落ち着かせようとしました。わかってる、ミコは私たちと一緒じゃ何をやっても幸せを感じられない。野良猫に戻ることがミコにとっての幸せなんだ…

じゃあどうする?「いっといで」って外に出せばいいの?帰ってくる保証もないのに?

いや、とにかくこんな態度はダメだ、私の苛立ちがミコをさらに悲しませる、悪循環だ。
気を取り直してその部屋を出た。ミコはソファに横たわって目をつぶっていた。

私はソファの前にひざまずき、「ミコ、仲直りしよう、さっきはごめんね。」と言ってミコに顔を近づけた。だが、ミコは顔をプイと背けた。

ここ1ヵ月はいつもこんな感じだ。

「そっか…うん、わかった。そんな気分じゃないもんね…。」
私はそう言って、その場から立ち去るしかなかった…。

そして別れの日がやってきた


別れはその翌朝だった。その日は夫の出勤が朝5時と早く、その時間私はまだ2階の寝室で寝ていた。

「あ!ミコ出た!ちょっ、俺もう行かな遅刻する!ミコ、たのむで!あぁミコ、出たらあかんて~!」
夫の悲鳴に近い声が階下から聞こえる。
夫が玄関を開けたそのすきにミコが外に出たのだろう。

ったく、朝から大きな声出して…うっ、頭に響くだろーが。

あぁ、しかし今日も朝からミコミコミコか……

もううんざりだっ!

私は布団を頭までかぶり体を丸くして目をつぶった。目をつぶればミコの悲しそうな顔が脳裏に浮かんできた。あの深い悲しみをたたえた目が迫ってくる!

もういやだ!限界だ!!毎日毎日あのミコのオーラに耐えられない!!辛いんだ、もうやめてくれ!!たのむ、ミコ!!もう…

blog20161112moji

私は心の中でそう叫び、布団の中でギュッと目をつぶり、歯を食いしばった。

次の瞬間ハッと目が覚め、同時に「ミコ!!」と叫んでベットから起き上がった。だが時間は30分経過していた。

慌てて服を着替え、玄関に飛び出した。
玄関と家周りと近所を必死に探しまわった。

しかしミコはもう、どこにもいなかった…

2016年11月13日 | Posted in | タグ: , Comments Closed 

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